第65回 知の拠点セミナー
第65回 知の拠点セミナー
講演1 「ナノ粒子が拓く科学の世界」 / 講演2 「スーパーコンピュータが拓く都市気象研究の最前線」
日時 | 平成29年8月25日(金) 18時00分~20時00分(※17時30分から受け付け開始) |
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場所 | 京都大学東京オフィス (東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング10階:アクセスマップ) |
プログラム |
講演1:「ナノ粒子が拓く科学の世界」
寺西 利治(京都大学化学研究所 教授)
金属や半導体などの無機物をナノメートルまで小さくすると、溶媒に溶かすことができるようになります。このようなナノメートルの大きさの粒子(ナノ粒子)は、それ自身を機能単位とするデバイスや触媒として大きな魅力があります。ナノ粒子を材料として利用するためには、構造を精密に制御し、構造と物性(機能)の関係を明らかにする必要があります。
本講演では、まず、身近にある金属、半導体、絶縁体のナノ粒子のサイズ、形状、結晶構造、相分離構造を精密に制御する方法を解説します。次に、その機能を生かした次世代創エネルギー・省エネルギー材料応用や癌検出などのバイオ応用について紹介します。
講演2:「スーパーコンピュータが拓く都市気象研究の最前線」
日下 博幸(筑波大学計算科学研究センター 教授)
夏になると、テレビやインターネットで、ヒートアイランドやゲリラ豪雨の話題がよく取り上げられます。お天気キャスターや気象予報士の方たちは、ヒートアイランドがゲリラ豪雨を誘発しているとか、地球温暖化によって大雨が増えているといったコメントをしていますが、これって本当なのでしょうか?
また、多くの人たちは、ヒートアイランドの話題が夏の暑い日に出るため、ヒートアイランドは夏の日中の現象だと思っています。しかし、これは大きな誤解です。では、なぜ、ヒートアイランドが夏の日中に出現するという誤解が生まれてしまったのでしょうか?
日本では、毎年、200名前後の方々が熱中症で亡くなっているという試算もあります。直接的な人への被害という面では、台風や竜巻よりも深刻な気象災害と言えます。2020年の東京オリンピックでは、夏の暑い日にマラソン競技が開催される予定です。競技者や応援する方たちが熱中症にならないようにするためには、どのような対策を立てれば良いでしょうか?
本セミナーでは、スーパーコンピュータと次世代の都市気象シミュレーションモデルを用いたヒートアイランド研究の最前線を紹介しながら、一般の方々が持っているヒートアイランドに関する様々な疑問に答えていきます。さらには、東京を含むアジアのメガシティの気候の過去の再現(100年前、30年前)と将来予測実験(30年後、50年後)の最前線を紹介します。