第69回 知の拠点セミナー
第69回 知の拠点セミナー
講演1 「東シベリアとモンゴルにおける気候変動:永久凍土の融解はこのまま進行するのか?」 / 講演2 「次世代型の外国語教育を目指して」
日時 | 平成29年12月15日(金) 18時00分~20時00分(※17時30分から受付開始) |
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場所 | 京都大学東京オフィス (東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング10階:アクセスマップ) |
プログラム |
講演1:「東シベリアとモンゴルにおける気候変動:永久凍土の融解はこのまま進行するのか?」
檜山 哲哉(名古屋大学宇宙地球環境研究所 教授)
北極海の海氷面積がユーラシア大陸側で年々縮小するのに伴い、環北極域(周北極域)に位置する東シベリアやモンゴルでは、気温や降水量が大きく変動しています。東シベリアでは2000年代半ばに夏の降水量が増加し、地表が湿潤化して凍土の表層部分が融解するとともに、北極海への河川流出量が増加しました。そして興味深いことに、同じ時期、モンゴルでは夏の降水量が激減して干ばつが続き、動物資源や人々の生業に大きな影響が現れました。両地域には永久凍土が存在し、他の気候帯には見られない独特の生態系と景観が見られます。永久凍土の表層は温暖化による気温の上昇だけでなく、降水量の増減にも影響を受けるのです。本講演では、両地域を対象に実施している国際共同研究の一端をご紹介し、今後、永久凍土の融解の進行を防ぐことは可能かどうかについて、セミナーに足をお運び頂いた皆さまと共に考えたいと思います。
講演2:「次世代型の外国語教育を目指して」
壇辻 正剛(京都大学学術情報メディアセンター 教授)
我々の研究室では、応用言語学的な知見に情報通信技術(ICT)を活用して、現代社会の喫緊の課題であるコミュニケーション主体の外国語教育への対応と、ダイナミックに変化する「国際化の時代を生きる」学生の育成に寄与すべく研究活動を推進している。日本語を母語とする学習者の抱える構造的な問題点を言語学的な観点から分析し、急速に進展する社会のグローバル化に対応して、国際化時代に世界的規模で活躍できる人材の養成を目指した外国語教育環境の構築の一端を紹介する。