第71回 知の拠点セミナー
第71回 知の拠点セミナー
講演1 「スパコンによるリアルワールドの流れの再現」 / 講演2 「データサイエンスとHPC領域の融合に向けて」
日時 | 平成30年2月16日(金) 18時00分~20時00分(※17時30分から受付開始) |
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場所 | 京都大学東京オフィス (東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング10階:アクセスマップ) |
プログラム |
講演1:「スパコンによるリアルワールドの流れの再現」
青木 尊之(東京工業大学学術国際情報センター 副センター長/教授)
何かと話題になることが増えてきたスパコンですが、その圧倒的な計算能力を生かし、現実の世界で起こっている物理現象を、スパコンの中で物理法則に基づいて再現するのがコンピュータ・シミュレーションです。天気予報や自然災害などの未来の予測や、外からの観測では知りえない内部の情報などをスパコンで解き明かすことができ、人知を高めることができます。講演では、スパコンで現実の流体現象をどのように忠実に再現するかを動画を交えてお話しします。
「海岸線の構造物への津波衝撃解析」
講演2:「データサイエンスとHPC領域の融合に向けて」
小野 謙二(九州大学情報基盤研究開発センター 副センター長/教授)
計算機の性能向上に伴い、大規模なシミュレーションの短時間実行が日常的になりつつあります。また、シミュレーション技術の進歩により、現象モデリングの精緻化、高解像度化による予測精度の向上が進み、多くの変数を必要とする複雑な現象のシミュレーションが可能になっています。さらに、潤沢な計算能力を利用して多数のシミュレーションを実施し、得られた解空間を探査して目的の設計パラメータを引き出すアプローチも近い将来現実になり、工業製品の設計パラダイムを変えるでしょう。
このように、計算科学は巨大なデータを生み出し、そのデータを分析して現象理解や問題解決につなげる、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)とデータサイエンスの融合領域に移りつつあります。これらの処理を効率的にすすめるためには、いわゆるビッグデータのハンドリングと可視化分析フェーズのシステム化が重要です。ここで問題となるのは、大規模データに対して対話的なシステムの構築には、広範囲にわたる技術分野の知識が必要となる点です。
本セミナーでは、大規模データの可視化分析について考慮すべき点や有効なアプローチなどの情報を共有するとともに、シミュレーション結果のアウトリーチについても議論したいと思います。