第80回 知の拠点セミナー

第80回 知の拠点セミナー
講演1 「カビと人との関わり合い」 / 講演2 「気候変動の健康影響と適応策」

日時 平成30年11月16日(金) 18時00分~20時00分(※17時30分から受付開始)
場所 東京大学地震研究所1号館2階セミナー室 ※6月から開催場所が変わりました
(東京都文京区弥生1-1-1:アクセスマップ)南北線東大前駅徒歩約5分
プログラム
18:00-19:00
講演1 「カビと人との関わり合い」

矢口 貴志(千葉大学真菌医学研究センター 准教授)
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19:00-20:00
講演2 「気候変動の健康影響と適応策」

橋爪 真弘(長崎大学熱帯医学研究所 教授)
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講演1:「カビと人との関わり合い」

矢口 貴志(千葉大学真菌医学研究センター 准教授)

写真(講演者)

 住宅の高気密化、冬でも加湿、加温による結露など居住環境は変化している。また、農作物の減農薬、食品の減塩・無添加指向、遠路の輸送などにより、私たちの周りはカビが増殖しやすい環境となっている。医療においても、高齢化、高度医療の進展によりカビによる感染症は増加傾向にあり、問題となっている。さらに、人、モノ、動物などの国際的な交流が盛んとなり、地球の温暖化も重なり、従来、日本に生息していないカビが侵入、棲息する可能性もある。

 以上のことから、今後、カビ対策はさらに重要になると考えられる。

 

講演2:「気候変動の健康影響と適応策」

橋爪 真弘(長崎大学熱帯医学研究所 教授)

写真(講演者)

 地球温暖化がもたらすさまざまな問題が危惧されるようになって久しい。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新の報告によると,過去約130年の間に世界の平均地上気温は0. 85℃上昇した。一方で,1898年(明治31年)以降,我が国の平均気温は100年あたり約1.1℃のペースで上昇しており,有効な対策を取らない限り,今世紀末には年平均気温が現在に比べて約4. 4℃上昇すると予測されている.東京では年間の真夏日が3カ月以上になる計算だ。

 地球温暖化が進行することによって,猛暑による健康への直接的な影響(熱中症や熱ストレスによる死亡など)の他に,低栄養や節足動物媒介性感染症(マラリア,デング熱など)をはじめとする感染症の流行地域が世界レベルで変化するなどの影響が生じる可能性がある。このような温暖化による影響の進行を低減するためには、温室効果ガスを削減する「緩和」とともに、これら影響に社会全体で対処する「適応」が重要である。

 

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