第87回 知の拠点セミナー

第87回 知の拠点セミナー
講演1 「人文科学は人類最大の危機にどう向かうか?」 / 講演2 「ゲノム解読の結果から「コシヒカリ」の来し方行く末を考える」

日時 令和元年6月21日(金) 18時00分~20時00分(※17時30分から受付開始)
場所 京都大学東京オフィス
(東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング10階:アクセスマップ
JR、東京メトロ丸ノ内線「東京駅」直結。東京駅新幹線ホームより徒歩10分。丸の内北口改札出てすぐ。
※6月より開催場所が変わりましたのでご注意ください。
プログラム
18:00-19:00
講演1 「人文科学は人類最大の危機にどう向かうか?」

ウィッテルン・クリスティアン(京都大学人文科学研究所 東アジア人文情報学研究センター 教授)
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19:00-20:00
講演2 「ゲノム解読の結果から「コシヒカリ」の来し方行く末を考える」

山本 敏央(岡山大学資源植物科学研究所 教授)
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講演1:「人文科学は人類最大の危機にどう向かうか?」

ウィッテルン・クリスティアン(京都大学人文科学研究所 東アジア人文情報学研究センター 教授)

写真(講演者)

 地球温暖化、環境汚染、動植物の類絶滅など環境破壊に関する危機に歯止めを掛けなれないと人類のみならず、この地球の殆どの生き物の生息環境が消えてしまう可能性が非常に高いです。この状況に置かれまして、自然科学や最新の技術に何らかの解決案が期待されているが、人文科学はその問題に対して何かが貢献出来るか?今の議論の中では人文科学の役割は何処にあるでしょうか、どんなような貢献が出来るでしょうか?40年前に出身地のドイツでは地球や人類の将来に自分がどこが貢献出来るかと考えて、哲学を学び始めまして、後に中国の禅仏教に焦点を当てて、それを専攻に勉強して来ました。今日この問題は思った以上に緊急性を増しているところでこの経験を踏まえて思想史・宗教史・人類学的な立場からその答えを探る続けています、現時点の見解を紹介します。

講演2:「ゲノム解読の結果から「コシヒカリ」の来し方行く末を考える」

山本 敏央(岡山大学資源植物科学研究所 教授)

写真(講演者)

 コシヒカリは開発から既に60年が経過した稲品種ですが、そのおいしさから日本人に愛され、40年に亘って日本一の栽培面積と生産量を維持しています。日本のイネの品種別作付け比率(平成29年)では、第1位のコシヒカリに続く、ひとめぼれ(第2位)、ヒノヒカリ(3位)、あきたこまち(4位)の3品種はいずれもコシヒカリを片親として育成された品種であり、また第5位から10位までのうち5品種は、これら上位4品種が親となった品種です。また、コシヒカリは祖先をたどれば銀坊主、朝日、愛国、亀ノ尾といった日本のイネのルーツとされる在来品種に遡ります。すなわちコシヒカリは単に現在の基幹品種であるだけでなく、日本のイネの品種改良の歴史と未来を語る上で大きな意味を持つ品種といえます。

コシヒカリの遺伝子の特徴を理解することは日本に適したイネ品種を効率よく育成する上で重要と考え、講演者らは2008年から2010年にかけてコシヒカリのゲノム解読に取り組みました。本講演ではそこで明らかとなった成果が現在どのように活用され、今後どのような展開が期待できるのかについて解説します。

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