第90回 知の拠点セミナー
第90回 知の拠点セミナー
講演1 「Design Shapes with Topology」 / 講演2 「電界制御による単一光電子のピクセル内多次元輸送~次世代カメラのキーテクノロジー~」
日時 | 令和元年9月20日(金) 18時00分~20時00分(※17時30分から受付開始) |
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場所 | 京都大学東京オフィス (東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング10階:アクセスマップ) JR、東京メトロ丸ノ内線「東京駅」直結。東京駅新幹線ホームより徒歩10分。丸の内北口改札出てすぐ。 ※6月より開催場所が変わりましたのでご注意ください。 |
プログラム |
- 第90回セミナー 申込ページ 9月18日(水) 16時まで (定員に達し次第締め切ります)
- お問い合わせ:setugouken-syomu[at]office.osaka-u.ac.jp まで
講演1:「Design Shapes with Topology」
鍛冶 静雄(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所 准教授 )
たくさんのものの中から似ている形を探し出したり、粘土をこねて思い通りの形を造形したり、形に関しては、人間には簡単にできるのに、コンピューターで扱うのは難しいことがまだたくさんあります。急速にAIが進歩する中で、人間の直感の偉大さと不思議さをあらためて実感させられる対象の一つと言えるでしょう。人間の持つ俯瞰的な空間把握を、コンピューターにも理解できるように厳密に記述することは可能でしょうか。数学の一分野であるトポロジーは、その一つの手段を提供します。この講演では、トポロジーを使って、形状やその動きを解析する研究について紹介します。特に、CGや工業意匠における三次元モデルのデザイン、折り紙、動力伝達の機構(リンク機構)の解析について、具体的な話題を通じて、現代数学が形状デザインに応用される様子をお話しします。
講演2:「電界制御による単一光電子のピクセル内多次元輸送~次世代カメラのキーテクノロジー~」
川人 祥二(静岡大学電子工学研究所 教授 )
カメラの中に使われる半導体素子であるイメージセンサが、半導体集積回路技術の進歩と相俟って、最近著しい発展を遂げています。カメラは今後あらゆるものの中に組み込まれると考えられます。特に自動運転車、ロボット、ドローンの3つは、今後AI技術を活用して社会を変革する程に発展する可能性がありますが、その際にカメラは外界の情報を取り込む“センサ”として非常に重要な役割を果たすと考えられます。これらに使われる次世代カメラの実現には、イメージセンサ、特にピクセルの技術的進歩が一層求められます。その1つのキーテクノロジーは、光子1個で発生した光電子を、ピクセル空間内の求められる場所に電界制御で超高速に導き、蓄積したり、無雑音で検出することのできる新機能ピクセルです。これによって、真夏の太陽光が降り注ぐ中、あるいは暗闇の中でも100m先の対象物を発見し、光の飛行時間を使って距離を瞬時に計測することができるようになり、また1/100mmの精度で対象物の3次元形状や位置を光飛行時間で計測できるようになる等、実際に自動運転車、ロボット、ドローン等に使える“センサ(眼)”が実現できることになります。
本セミナーでは、単一光電子の超高速多次元輸送制御を行う新機能ピクセルの原理解説から始め、試作したイメージセンサによる超高感度撮像、高分解能距離画像計測について実測結果を交えて解説し、自動運転車等への応用についての展望を述べます。